誰もが関わる機会がある。マンションの理事会の疑問

こんにちは。マンション管理カレッジがお届けするマンション管理ブログです。
マンションの理事会は、いわばマンション内の町内会です。マンションに関わる重要なことを話し合う場ですが、活動内容が今ひとつわからないケースもあるのではないでしょうか。ここでは、マンションの理事会の疑問について見ていきましょう。
マンションの理事会の疑問1:理事の選出方法
【居住者の声】
マンションの理事の選出をめぐって、揉め事が起きているようです。これまでは回り持ちだったのですが、「マンションの改革に取り組みたいので自分にやらせてほしい」と主張する人がいるのだとか。意欲はすごいと思いますが、ルールを曲げてまで立候補を認めるべきなのでしょうか。
【マンション管理 対応のポイント】
管理規約にもよりますが、理事の選出方法は基本的に自由です。立候補・推薦の場合と回り持ちの場合とでは、以下のような違いがあります。
- 立候補・推薦
やる気のある人や有能な人が優先的に理事になれます。ただし、任期を制限しておかないと、いつも同じ人が理事になっているかもしれません。また、立候補者が不足している場合の対応も考えておく必要があります。
- 回り持ち
特定の人が理事に居座り続けることがないため、理事会が私物化されることがなく、居住者全体の意見を反映させやすくなります。反面、やる気のない人や能力不足の人が理事になってしまうケースもあるかもしれません。
一般的にはまず立候補者を募り、人数が不足していれば回り持ちで補うケースが多いと思われます。せっかく立候補者が出てきたのであれば、慣習にとらわれず理事になってもらうのも、大いに意義があるのではないでしょうか。
マンションの理事会の知識2:報酬は支払うべき?
【管理組合の声】
ある区分所有者に理事をお願いしたのですが、「ただではやりたくない。報酬をもらえるならやってもいい」と言われてしまいました。理事や役員が報酬を受け取っているという話は聞いたことがないのですが、そんなマンションはあるのでしょうか。
【マンション管理 対応のポイント】
国土交通省が行っている「マンション総合調査」の平成30年度版では、「役員全員に報酬を支払っている」マンションが 23.1%あることがわかっています。つまり、理事・役員に報酬を支払うのは珍しいケースではありません。同調査では、全員一律の場合の役員の報酬額平均は約 3,900 円/月であるという結果も出ています。今後のことも考慮し、理事・役員に報酬を支払うべきかどうかも議論してみてはいかがでしょうか。
マンションの理事会の知識3:費用に不審な点がある時
【居住者の声】
噂で聞いたのですが、うちのマンションの理事会は、半分飲み会のようになっているそうです。しかもその費用は、居住者の交流促進のための費用として計上され、管理費から捻出されているのだとか。こんなことが許されていいのでしょうか。
【マンション管理 対応のポイント】
実態を把握するのが最優先と思われます。管理組合の帳簿を確認し、不適切な支出がないか探してみましょう。明らかに問題がある支出が見つかれば、理事会に改善を求めるべきかと思われます。理事会に何でも任せきりだとこのようなことが起こりやすいので、普段から理事会の運営に興味を持つようにしてください。
まとめ:一度はマンションの理事になってみよう
いいマンションは、理事会も正しく機能しているものです。活動に興味を持つのはもちろん、ぜひ一度理事になってみてはいかがでしょうか。それまでは見えていなかった、マンションの問題点が見えてくるかもしれません。